SmartHRで人事をしている薮田(@yabucccchi)です。

今年も残り3ヶ月ですね。今年の1月から9月までで約50名の正社員が入社しています。そんな新入社員向けの施策として、2018年の末頃からオンボーディングに注力してきました。

新卒入社者とは異なり、中途採用での入社者には入社時のケアが少なくなりがちです。おそらく、「経験者だから、大丈夫でしょ!?」みたいな気持ちが心のどこかにあるかもしれません。

でも、私は、中途入社の人材こそ初期のオンボーディングが重要だと考えています。いわゆる新しい環境への『適応』。

ちなみに『オンボード』というといろんな捉え方があると思いますが、今回は内定承諾から入社3ヶ月〜1年くらいのことをオンボードと指して書きたいと思います。


なぜ、初期オンボーディングが大切か


端的にいうと、「会社に馴染めるスピードで、成果を出せるスピードは変わる」と考えるからです。

弊社宮田もブログで書いてましたが、入社してから短期間で実力を発揮してもらうことを非常に重要視しています。

SmartHRは、外から見えるより「実力主義」な会社かもしれない

救いの手を「最初から全く差し伸べない」ことと、「差し伸べ続けない」ことは別物です。

〜 中略 〜

「入社してから短期間で、本来の実力を発揮してもらうため支援」と「日々の努力の積み重ねによる長期的な成長支援」とは別物です。例えば、トータル10時間以上の入社オリエンテーションを通して、なるべく早く職場に馴染んでもらうことをサポートしたり、(まだまだ弱いですが)セールス・イネーブルメントのような概念を取り入れて、いかに早く成果をだし、活躍してもらえるかを試行錯誤しはじめています。

新しい環境にすぐに馴染めるほど、柔軟な人ばかりではありません。また、新卒社員と違って、前職での基準ができてしまっているので、何かしら会社に求める基準を作ってしまいがち。ここでギャップが発生。このギャップが何かというと『仕事の進め方』のキャップと言ってしまうと一番わかりやすいと思います。

新しい会社になると、コミュニケーションの取り方、物事の決め方(個人の決裁権限は?決済フローはあるのか?等)、共通言語、ツールなど、仕事の進め方が異なります。実力がある人でも環境が変わると実績を出せないケースがあるのは、仕事の進め方のズレから起こってくるように思います。

新入社員が新しい環境での仕事の進め方に馴染めないと、新入社員の初速が遅くなります。そうなると会社にとって打撃ですよね。

ということで、SmartHRでどういうことをやっているか。その工夫を一部を紹介したいと思います。

【入社前の工夫】slackで新入社員用チャンネル作り、入社前に入ってもらう

当社では、入社前に社内slackの新入社員用チャンネルに入ってもらってもらうようにしています。効果は2つ。

  1. 新入社員にとって:slackを使ったことの無い社員にとってはツールになれることができる。なんとなくコミュニケーションの取り方がわかる。絵文字が見れてなんとなう文化やノリがわかる。
  2. 受入れ担当者にとって:例えば10人新入社員がいた場合、メールだとコミュニケーションが10通りになるが、slackのチャンネルだと1通りですみます。また、1名の新入社員が人事に質問したときに「あ、その質問私もしたかった!完全理解!」というように一石二鳥で解決することもあります。
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絵文字のノリなんかもわかりますよね。


【入社当日の工夫】直近の予定を明確にする。そして歓迎する。

新入社員にとって、入社初日や初週、初月は緊張します。面接で何をやるのかなんとなくは聞いてはいるものの、具体的にいつ何時に何をやるのかまでの視界が広がるには時間がかかります。SmartHRでは、直近の新入社員の行動視界を広げるオリエンテーションを必ず実施しています。

初日オリエンテーションの資料を使って軽くご紹介。

まず出社したら、新入社員のみなさんは共通の会議室に案内されます。新入社員が集まったら人事から以下のことを話すようにしています。

まず、
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歓迎!来てくれてありがとう!本当に感謝!
一番はじめにこれを言わずに何を言いましょう。よろしくお願いします!

そして、視界を広げるターンです。


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今日1日の予定。その日、何をするのかを伝えます。

オンボードでひとつポイントがあります。ランチ。初日に入社者全員+採用担当人事でのランチを入れています。また、翌日以降にも配属部署で歓迎ランチがあったります。

転職した人ならわかると思いますが、入社直後はランチどうするかドキドキするものです。ひとりで食べたい人もいれば、みんなで食べたい人もいると思います。とはいえ、入社者の声を聞いていると、入社初期はランチの取り方をどうするか気を使うよりは、会社で設定してもらった方が、変な気遣いをしなくて嬉しいようでした。そういった社員の声からも、入社初期は会社として複数ランチを設定しています。

【入社当日の工夫】何を提供して、何を提供しないのかをはっきりする


どんな情報が会社で用意されていて、何の情報を自分で得ていかないといけないのかをあらかじめ認識を合わせることが重要です。そうしないと期待値のギャップが生まれてしまうからです。

入社オリエンで使っている資料はこちら。

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放置にするのか、手取り足取りなのか。この辺は会社のスタンスだと思います。少なくとも当社だと、全てを手取り足取りとしていません。そのための即戦力採用でもあります。

最初に宣言することは重要だと思いますし、初期程期待値ギャップがうまれやすいので早めに認識合わせをすることをオススメします。

あと、注目してもらいたいのが、左側の社内用語。googleで検索しても出てこないことってありますよね。当社では、社内用語のドキュメントを用意しています。


【入社3ヶ月間の工夫】コミュニケーションの機会を公式に多く持つ

新入社員向けに各部署のリーダーが直接顔を合わせて、部署説明や役割の説明をする機会を設けています。

中々リソースがかかりますが、最初のタイミングで各リーダーと直接顔を合わせる機会を作っておくと、実務で必要になったときに話しかけやすいですよね。リーダーにとっても新入社員のことを知るきっかけにもなります。

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また、3ヶ月間は新入社員1on1を実施しています。人事が1ヶ月目と3ヶ月目。宮田が2ヶ月目を担当しています。また、弊社では、各部署ごとに隔週で1on1の時間をマストだ設けているので、本音で話せる機会をたくさん作るように工夫をしています。

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このようにコミュニケーション接点を初期にたくさん置いておくことで、入社前後のギャップを知ったり、新しい目で見る会社の課題を知ることができ、早期に課題解決を考えることができます。

【まとめ】なじめるかどうかは、会社と新入社員が一緒になって「並走」して取り組めるかどうか


ここに書いたことは、全社共通のものです。配属部署ごとでもオンボーディングに取り組みはじめています。これからも新入社員のために、『適応』の強化をしていきたいと考えています。

冒頭に話したように、新入社員のみなさんなは早期に成果を出せるようになってほしいです。これは、受入れ、新入社員双方に共通する思いかなと。早期戦力化においては、どちらかが怠けるとうまくいかないです。それはお互いに『わからないことがわからない』から。新入社員はわからないことを伝える。受入側は何がわからないかに目を配る。そういった並走する気持ちがオンボーディングをうまく進める秘訣ではないかなと思います。

新卒入社の社員以上に、中途入社の社員は右も左もわからない。新入社員を受入れる人は、歓迎の気持ちを持って並走、伴走することを意識しておくと良いかもしれません。

最後に、オンボーディングに関してひとつだけ。

会社によってはオンボードのKPIを満足度や退職率を見ている会社もあるかと思いますが、私は『やめさせない』が、ゴールと思ってはいません。入社直後に会社と新入社員のマッチングを測り、会社が変わるべきか、本人自身を変えるのか、本人の環境を変えた方がいいのかを早くジャッジすることが大切なのではないかと考えています。

私は職業柄、人は自分が活き活きと働ける環境に身を置いてほしいと思っています。そういった環境に優秀な人材が適応できるように、人事として動いていきたいと思います。

新しい環境に合うか合わないか。それをお互いに知ることがオンボードの重要性だと思います。


【おまけ】当社では入社1年経ったら美味しいお寿司がたべれます!


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美味しい食べ物って会話がはずみますよね。1年て良い区切りですよね。お寿司食べれることをPRしたいわけではないんですが、コミュニケーションを大事にすることはとても大切で、そのきっかけとして美味しい食べ物はキラーコンテンツですね。

寿司たべたい。
※私ももうすぐ1年寿司ですが、カニはたべれません。

明日もお待ちしております。©天下一品