あっというまに3月ですね。SmartHRで人事をしている薮田(@yabucccchi)です。

4月が期初の会社にとっては、来期の目標を全社員に共有をしはじめる頃ではないでしょうか。会社によってミッションや目標の共有方法は様々だと思いますが、ちょっとSmartHRの話をしたいと思います。

当社は1月が期初なので、2ヶ月程前に全社キックオフというオフラインイベントを通じて今期の目標を共有しました。これまで社会人の人生の中でこういうイベントに参加したり企画運営することがいくつかありましたが、とても印象に残る会にすることができました。なぜ良かったのか、どんなことをしたのかを書きたいと思います。

全体のサマリー

会全体としては4つの構成+懇親会(1月だったので新年会)という構成です。ざっくり言いますとこんな感じ。
1) 昨年の振り返りやプロダクトのこれまでの遍歴
2) 今後のプロダクトの展望や事業戦略。2019年のミッション発表
3) 各組織ごとに別れてのグループワーク
4) 社員参加型のコンテンツ
1,2はCEOの宮田やCOOの倉橋、CTOの芹澤、プロダクトプランナーの副島が話す登壇形式の場。1年で社員が倍以上になったこともあり、プロダクトの遍歴を知らない人も増えてきました。SmartHRの初期からいる人も最近入社した人も同じ情報を持っておくという意味合いでも振り返りやプロダクトの遍歴を伝えられたことは良かったのではないかと感じています。

kickoff
ちょうど100人くらいの参加者。時に笑い有りと和やかな空気で会が進みました。

今回のキックオフで公開したことをいくつか社外向けにもオープンにしているので、こちらもご覧ください。

実施した結果どうだったのか?

2点くらいの軸で今回の結果を見ています。1つはwevoxというアトラエさんが提供している従業員サーベイ。もう一つは我々独自の事後アンケートです。

wevoxを導入している企業さんじゃないと少しわかりづらいかもしれませんが、2019年1月のキックオフ後のサーベイの結果、『理念戦略』という項目が100点満点中87点を記録することができました。wevoxを利用している近しい業種の会社の平均スコアと比較できる機能があるのですが、理念戦略の項目は平均だと66点だそうです。

wevox.6

事後アンケートでは、平均すると4.57点(5点満点)。まずまずの結果だったのではないかなと思っています。生の声としても「当事者意識を持って来期取り組むべき課題について考えることができた」「生産性が高く凝縮された時間だった」「テンションが上がった」という声があり、とても効果の高い施策だったと感じています。

アンケート
では、『なぜうまくいったのか?』自分なりに振り返ってみたところ5つくらいポイントがあったなと思っています。少しご紹介。

大切にしたい5つのこと

【その1】経営陣が細部まで内容にコミットする

このような『キックオフ』って誰が、いつから、考え企画運営するのか?という議論があるかもしれません。当社では経営陣が責任を持って企画しています。元々、週に2回経営陣が集まって話す時間があり、キックオフの2ヶ月程前から来期の目標について話し始めるといった感じです。今回は来期目標のベースをCEOの宮田やCOOの倉橋が作り、経営陣が集まるミーティングの中で具体的に詰めていく形式をとりました。「どういう伝え方が良いか?」「登壇なら誰から伝えるべきか?」「大筋どういう流れが良いか?」等の全体のベースを決めて、コンテンツごとに登壇者責任者を決める。あとは登壇者ごとに細部を作っていくといった流れです。

ベースがしっかりしていれば、登壇者ごとに別々に資料を作ったとしても、メッセージは統一されるので、最初に経営陣がコミットして大枠を作るということが非常に重要だと思います。

【その2】コンスタントにインタラクティブな要素を入れる

人間、集中力は長続きしません。一人当たりの登壇時間を15分以内に限定しました。また、45分に1回は聞いている人たちからの質問コーナーを設けるようにしました。事後アンケートで「全然飽きなかった」という声が多かったんですが、その理由はここにあるかもしれません。

みんなの前で質問するのはハードルが高いと思うので、sli.doというQ&Aツールを使って質問しやすい状況を作りました。web上で質問を気軽に書けるので、登壇中に思いついたことを遠慮なく書くことができます。登壇が一段落したら、sli.doを投影してそこに書かれたコメントに答えていくという形式をとりました。

【その3】温度感を絶やさない

全社ミッションを伝えるだけで終わらず、発表直後にグループワークを実施しました。4〜10人くらいの組織ごとに分かれて「全社目標を達成するために自分たちの部署は何をすべきなのか?」ということをディスカッションする場です。時間は大体1時間。ミッションを聞いた熱量、温度感のままグループワークを実施するというのがポイントなんじゃないかと思っています。

目標を聞いたとしても、全員が同じように捉えられたかでいうとそうではないかもしれません。人によって認識の差があるのが常だと思います。改めて同じチームのメンバーどうして目標をどう捉えたのかを話し合い、自分たちの目標を一緒に話すことで一体感を持った目標設定ができるのではないかと思います。

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グループワークの様子

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【その4】本音を話す

事業の話だけではなく、人事制度についてパネル形式でディスカッションするコーナーを設けました。今回はCEO,COO,CTO,CFOがパネル、人事責任者の私がモデレーターでした。プレゼン形式だとどうして本音や個人の考え方が伝わりづらいのですが、パネル形式にすることで意見が分かれたり、なぜそういう意見なのか理由を深掘りするなど考えかたが可視化される効果がありました。

1テーマについて、「あり・なし」と理由を話し、オーディエンスにも「あり・なし」を聞くような仕掛けをしてみました。

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SmartHR社、得意の意思表示の札です。


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パネルディスカッションのときに使った、pollyというソリューションが便利だったんでご紹介。slackで気軽にYes,Noを聞けるツールで、オーディエンスから活発に意見を出してもらうという意味で効果的でした。例えば、『社食』というテーマについれ『あり』『なし』『ありとはいいきれない』の3択で聞いてみるとこんな感じ。(名前は伏せてます)

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オーディエンスが100人いてもディスカッションが一方通行にならないので、かなりおすすめです。

【その5】後から入社してくる人のことも考えてアーカイブを残す

後から入社する人が情報を掴みやすくするために、映像に残したりもしましたが、パッとわかるようにグラレコを書いてもらいました。

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当社のデザイナーが書いています!

これ以外にも、グループワークの内容をドキュメントに残したりもしました。キックオフの後に入社した人が同じ情報を持てるようにしておくことも非常に重要かなと思います。

まとめ

当社では、こんな感じで半年に1回キックオフを実施しています。こういった全社集会のようなオフラインイベントは、『会社を自分ごとに捉えるきっかけ』になるのではと思います。こうしたオフラインの場をどう作るのかで目標の意識合わせや一体感が変わってくるので、会社全体としてリソースをかけるべき施策だと改めて感じることができました。

キックオフでの成果をキーワード1つだけで説明するとすれば『当事者意識』。やらされてる感で仕事をするのはつまらないですし、モチベーションを上がらない。起点起点で当事者意識が生まれるような場をつくり、プロダクトを進めていくことで従業員が自発的に動いていける環境ができるのではないかなと思います。

従業員が増えると、こういった場をつくる難易度は上がりますが、諦めず良い組織にしていきたいと思います。

おまけ

新年会は、オフィスで日本酒を楽しみました。

Image from iOS


ロゴ入りマス。

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お酒は気遣いなくセルフで酌むスタイル。

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明日もお待ちしております。©天下一品